長いため息のように。
塾で英語を教えているときに、ヴェネツィアの語源は何かと聞かれたので、調べてみたところ(英語版wikipedia:veniceのetymologyのところ)、印欧祖語の"ven"にたどり着いた。
このven=wenhは個人的には前からおなじみであった。というのもvenusの語源だからである。金星は愛の星で、venusはまさに愛の神なのである。金曜日が英語ではFriday, ドイツ語ではFreitag、それに対してフランス語はVendredi, イタリア語のVenerdi, ラテン語系では金曜日はローマ神話の女神「ヴィーナスの日」であり、「ヴィーナス=金星=金曜」なのである。
それに対し、英語やドイツ語、ゲルマン・北欧系のひとびとにとってはヴィーナスとは北欧神話の女神フレイヤのことだった。なので「フレイヤの日=フライデイ=金曜日」。
ドイツ語で曜日を教える際に、いつも勝手にひとりで話していることだった。
それでもって、このvenという言葉の派生はいろいろ、ただ、そんなめちゃくちゃ多くはないか。前述のヴェネツィアもそれに入るし、英語のwish=ドイツ語のWunschもここにはいる。あとはドイツ語のWohnung(住居)がこれだったと思う。だいたい一番最初の会話練習くらいにドイツ語の授業で習う単語だ。Wo wohnen Sie? - Ich wohne in ~~. (どこに住んでいますか?私は〜〜に住んでいます。) wiktionaryでは、wohnenのページに語源としてこのwenh、愛・願いという言葉が示されている。
ただ、ドイツ語のWohnungは中高ドイツ語でBuweになる。これが何に似ているかといえば、サンスクリットのBhava(住居)だ。子音も全く一緒で意味も全く同じ、このふたつの言葉はきっと同源なのだろう。
サンスクリットのBhavaがもともと何からきているかといえば、√Bhuである。「成る」という意味であり、個人的にはto be と全く一緒の意味なので、英語の「be」と同じ語源だと思っている。「be動詞」ではなく「be」と言うのは言語学的な理由でもある。
英語のbeは複数の別の動詞のミックスだ。beは am, are, is, was, were, been, being あたりに変化する。 ここでbeと同じ語源はbe, been, beingだけ。beはbhuなので、もはや現在形というより未来形。なのでam, are, isが現在形なのにbeとかto beになると意味が未来形みたいになってしまう。なぜならもともと別の単語だったからだ。
am, are, isはサンスクリットでいう√asで、フランス語のetreとかラテン語のessereやギリシャ語のeimiなどと同じ。一番「be動詞」の意味がある語源である。
was, wereは古いドイツ語のwesenのようなものだ。印欧祖語でいうhwesだろうか。
wenh, venという音は、ラテン語やフランス語のvenir(来る)という言葉に似ているが、こちらもそれなりに奥が深いので、また今度。また、「金星」についても、また今度色々かけるといいな(願望法)。
タイトルは自分が子供の頃の曲から。youtubeに公式動画とかないので、ニコニコから。1999年の曲で、アドレスにも10089999、9がいろんなとこにあってすごいっすね。自分の人生で最も好きな曲のひとつだ。子供の頃から、何百回もきいてきた。無常観に支配された脱力系なメンヘラが感じの精神の人間には、最強にぶっささる曲である。
今回金星について書こうと思ったので、「愛の愛の星」という曲が同じミュージシャンであった。それで思い出したのだけれど、それと同じくらいの時期の曲だったと思う。「長いため息のように」内容にもあった、すごくいい曲名。
ちなみに、この曲は、プロモーションビデオがとても良い。日本のサイトでは見れないので…まあリンクはしませんが、bilibiliとかの中国サイトとかに行けば見れます。
BishのMy Landscapeと同じ撮影場所なのではないかと思っているが、どうなんだろう。アメリカの砂漠、大好きです。数少ない、私のヴィーナス地点。
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