将来に対する漠然とした不安

 いわゆる「未来予測」みたいな一番占い的な側面を占星術ではトランジットとプログレスと言います。宇宙で、生まれた時の星配置と、現在の星配置が特別な距離感をもつと、特別なことが起こります。

 そこで、1年のうちだいたいは何かひとつの星が「特別な配置」になっているのですが10個ある天体のうちひとつも「特別な配置」になってないときもあります。トランジット表が真っ白な期間です。


さても、そのように「特別な配置」が何もない、いわば空白期間、ふつうの占星術なら、「生活に波がない時期」と言われます。占星術は、いわば少し科学的な説明をするなら、人々がよく言う日照時間の少ない国で鬱が多いとか、月に太陽が当たる角度によって(新月〜満月)人間の血流の速さが変わるとか、そういうものを水星から冥王星までに応用したものなので、どんな星の影響もないなら、心身に特別な影響がなく、心は平静だということです。


 で、そういう時期ですが実際のところは「トランジットがない時期は気持ちが安定」とはとても言いにくいです。むしろ何もなくて心が不安になるかもしれません。将来を不安に思うかもしれません。

 芥川龍之介が遺書で「将来に対する漠然とした不安」がある、と書いてますがこんな感じの気持ちなんですかね。何かに打ち込めれば、人は気持ちはある程度安定します。誰かのためになっていると思えれば、気持ちはさらに安定します。まあ、それさえあれば払拭される程度の不安定ではありますが。


 タロットカードで、「魔術師」のカードがあります。魔術師はしかし、クリエイターそのものです。魔術師であるアレイスター・クロウリーの著作なんかを読むと、ものすごい創作意欲がわきます。魔術師のカードがでると「現実はあなたの好きに創造できます」と出ます。

 トランジットがなにもないときは、この魔術師のカードに似ています。星の影響がないので、用意された道がありません。しかし、それゆえに「現実はあなたの好きに創造できます」と言うことはできるのかもしれません。

ᚠᛚᚪᚵᛋ ᚠᛚᚪᛪ ᚠᛟᛞᛞᛖᚱ ᚠᚱᛁᚵ

Flags Flax Fodder & Frigg

0コメント

  • 1000 / 1000