言外と言内の会話の相性

 人間の相性は人生最大の問題です。もちろん、仏教や哲学の理想みたいに、「他人に少しも左右されない自分」を確立することができたら、人間の相性なんてもう気にしないでずっと自分が自分でデフォルトでいられますが、なかなかその悟りの境地に入れず、その間はやはり人間の相性に翻弄されながら生きていくことになります。


 実践的に相性を確かめるという点では、実際に話して見るとか、一緒に暮らして見るとか、すればまずわかりますが、そもそも相性を知りたい理由が一緒に何かやるとき問題が起きないかを知りたいかなので、前もって知れなければ意味がありません。

 AIなどのマッチングアプリとか、進化してきていますが、もっと大掛かりな計算ができるPCとかが信頼と量がある統計を元に本格的にそれを行なった場合、善意的で信頼できるソースならばとても参考になるでしょう。簡単にそんなテクノロジーのクオリティの相性図などはそんなものが手に入ればいいですが、まあとりあえずは波動や量子テレポーテーションレベルの因果性というべきか、占星術では相性図の考え方があるので、それについてずっと考えてはいます。


 言葉が通じない=思っていることが通じない、そういう相手は、一番辛いと思います。なので、そこの相性が保証されていなければ生活していくという観点で良い相性とは言えません。もちろん、無言で大量の遺産をくれるような相手ならば言葉通じなくてもいいかもですが…。

 でも人生に「思いが通じない相手」がいないとき、もちろん「生きていくお金がない」よりはましですが、結構不幸に感じるはずです。人間は、少なくとも最低限の肉体維持のための「お金」もないといけないし精神維持のための「思いが通じる相手」もいないといけないから、忙しくて厄介です。


 相性図で言えば、会話の相性は水星です。水星が良いに越したことはないです。ただ、水星は、人間の会話のなかで半分くらいの領域を担っていると思います。そして、残り半分で、別の星の組み合わせが「会話」の部分を司ると思っています。


 つまり、人間の言語は、ソシュール言語学で言えばシニフィアンとかシニフィエとか言いますが、私たちの会話は、記号論だけでは限界があり、つまり「言葉以外で察する」必要がかなり大きいです。例えば、

「これ欲しい?」「いいよ」

 という会話を理解する上で、「いいよ」がyesとかgood ideaの意味ではなく「(別に)いいよ」というno thank you  の意味だと理解するには、その状況と言語に関する直感、よりそれっぽくいうなら無意識下での経験記憶とその統計処理的計算力が必要です。


 その意味で、そういった直感とかテレパシー、念みたいな領域の相性がいいと色々「察してくれる」相性になります。これが会話の相性の良さの残り半分です。

 なので、個人的にたまに思うのは、占星術では、「良い相性」のなかに「冥王星と海王星の度数の誤差」が一緒だと良いのではと思うことがあります。これは相性図ではなく、個人のホロスコープを見ればわかります。

 冥王星と海王星はほとんどの人がセクスタイルか、アスペクトなしかだと思います。そのセクスタイルの誤差度数は、0~6くらいまであると思います。なので、これは大雑把にひとを6タイプに分ける考え方です。その誤差度数が一緒だと何か「色々通じやすい」気がします。

 もちろんこれは、6分の1くらいの確率で一緒になります。

 エフェメリスで、ψ(海王星)とP(冥王星)の間の数値の差が0~6くらいあると思いますが、その数値がふたつの星のアスペクトの誤差度数です。どちらも世代の星であり、最も占星術の中で動きが遅いものふたつなので、星の動きによっては、同じ月の人の誤差度数は全く同じになります。

 ψとPの組み合わせは、魔術的才能がどうとか言われると思います。すなわち、いわゆるすごい一般的な意味での言葉やロジックではない世界なのです。ですが、そのような「魔術的才能=言外を察する能力」を人間はそもそも会話のなかで日常的にいつも使っているわけです。

 もちろん、この海王星と冥王星のテレパシックな部分も、水星のロジカルな部分も会話では必要です。水星もこちらも、どちらも良いのが理想ですね。

ᚠᛚᚪᚵᛋ ᚠᛚᚪᛪ ᚠᛟᛞᛞᛖᚱ ᚠᚱᛁᚵ

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