解離性人格障害

 わたしはあなたや他者の意識になったことがありません。それは人間の意識の限界だと言えます。なので基本的に、他人の意識状態については自分の意識で想像するしかありません。


 他人の意識と自我の意識が隔絶されているとは言っても、相手の気持ちを知る的なことは生物学的にもエントレインメント(参考1参考2)とか、ミツバチの電荷と花の香りの関係とかみたいにある種の周期や軌道、電荷、周波数のようなものでも説明され得るものとも言えます。

 存在である以上は微細なものでも認識できる可能性を持ちます。スピリチュアルとかのカウンセリングは、経験則やら論理展開やらを無意識に色々考えはするかもしれませんが、同時にこういった鼓動・リズム・周波数・電荷といった変化を「雰囲気」という言葉で大雑把に認知される感覚で色々と知ろうとする行為なのかもしれません。

 ある意味200年以上前のメスメルの動物磁気とかラーヴァターの観相学とかは近代ドイツ思想を学んでいると非常によく聞く名前ですが、当時は否定されたそういった法則が微妙に現代に復古しているようにも思えるものがあります。


 最近は、というかもう10年以上前から続く出来事ですが、解離性人格障害について考えさせられる機会がありました。

 解離性人格障害については、自分にその経験があって他者に関しても状態を想像するのが容易でなければ、基本的には相手が「嘘をついている」「矛盾していることばかり言っている」としか思えないかもしれません。

 部分的にはその通りで、解離性人格障害の人から受ける印象のひとつとして、意識が分裂している状態は、何か責任逃れのための方策のようにも感じられるということです。

 自分のなかに複数自分がいれば、自分以外の自分のせいにして、責任を逃れられるという構造です。健常者でも「私には責任がない」という弁明を一生懸命している状況はいくらでもみれます。そういう責任逃れを、個人の中レベルの無意識で、自覚もできないまま自我が行なっているのかもしれません。

 主にこういった精神疾患は幼少期のトラウマとか衝撃的な出来事に対する防御反応として現れます。過去の衝撃的な出来事として、繰り返し罪を咎められ罰を与えられた時、人はなんとかしてその罪の罰の繰り返しから逃れようとします。「自分のせいじゃないよ」を自分のなかでつくりだすわけです。


 とはいえ、意識とは、私のなかに私という意識がひとつあるというよりも、細かい意識が1000個と統合的存在1個で私の意識1個というような感じなのだと思います。

 個人的なトラウマまたはもっと遺伝的とか生まれる前レベルの先天的素質とかによって、その統合の役割をもつ意識が機能をいくらか失っていたり、または統合する意識が複数あるというケースは、容易に想像できます。


 ではそもそも、解離性人格障害のような状態になくとも、自分の中にある幾千もの意識を全部統合できている人なんているのでしょうか?

 私は過敏性胃腸症候群がありますが、いわば普通の医学の定義に書かれているような「交感神経が優位になると、胃腸の活動が低下する」というのが真逆で困ります。すなわち、「普通」とは「交感神経が優位になると、胃腸の活動が低下する」となるように意識が統合されている状態だと言えますが、自分の場合はそこの命令が逆になっているか、または胃腸の意識が、意識の司令塔と統合できていないでいるのでしょう。

 すごく広く取れば、これもある種の人格の乖離ようなきがしてきます。司令という意識と、胃腸という意識が自分のなかで別々に活動しています。


 人間は、その人が大人であるなら、必ずしも子供だった時もあるはずです。子供から大人になるにあたって、凶暴性・他者への攻撃性、浅い考え方、調和性の欠如となる行動や発言、といったものを表に出さないように教育される、または自ら身につけることになります。

 解離性人格障害には、そういった子供の凶暴性・浅さ・不調和などが人格のうちに残っている場合があります。ある種「大人になること」に部分的に失敗していて、おそらくは幼少期のトラウマのために同時に自分の幼少期もずっと残っているのかもしれません。


 非常に広くとると、自分だって相手によって人格が変わります。当然ながら「相手に受け入れてもらう」ことが大事だからです。

 例えば、長く付き合っていて、自分の核心を受け入れてもらえないとわかっている相手には、自分の思っていることを言いません。逆に受けれてもらえる相手には、より自由にコミュニケーションしたりするので、そのふたつの状況において自分の人格は全く違うと言っていいでしょう。

 同時にこれは、長く付き合っていれば、それだけ仲良くなれるというわけではないということです。お互いの本心をどれくらい受け入れられるかどうかによって、仲の良さの限界値みたいなのが決まります。そして、お互いを受け入れられる同士が長く付き合えばそれは非常に高い仲の良さの数値になりますが、お互いに受け入れられない部分が多いのならば、すぐに数値はカンストして長く付き合っても高い数値は出せません。

 もちろん、それまで「分かり合えない」と思っていた部分が突然「わかりあえる」ようなときもあるかもしれません。


 解離性人格障害という意味では、ソクラテスのダイモーンまたはウォークイン、場合によってはヒトラーの憑依霊など、そういった超自然的な意味ではとても興味深く、「自分の意識の分裂」というよりもどう考えても「自分以上のもの」が存在している状態に興味があります。

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