Sterntaler

 占星術は天動説です。いや、実際地動説でも天動説どちらでもいいです。例えば、ヘリオセントリック占星術ってありますが、これってある意味地動説ですよね。

 普通の占星術は、「地球に生まれた時の惑星軌道の位置」を参考にしますが、ヘリオセントリックは「太陽に生まれた時の惑星軌道の位置」を参考にします。まあ、出生地が太陽の人は普通はいないですが…。


 地動説と天動説の違いは、どっちが間違いとかどちらかはこの世に存在していないとかではなく「観測視点の違い」です。太陽から惑星を見た時の惑星軌道が地動説の軌道、地球から惑星を見た時の惑星軌道が天動説の軌道。ただそれだけでしょう。

 天動説では、惑星の逆行・順行ができて、つまり3進んで2退いてまた3進むみたいな軌道説明になります。地球から例えば水星と直線で結んだときの軌道はもちろんそういう線を描きます。重なった波みたいな軌道になってしまうでしょう。

 対して、地動説なら、太陽を中心として惑星が円運動をします。地動説のほうが、ものすごく軌道図がすっきりするわけです。

 でも惑星軌道を円運動ではなく重なった波みたいな乱雑な軌道で観測したい場合は、天動説でなければいけません。


 名古屋から東京に新幹線が走るとき、その新幹線を目撃する人が名古屋・豊橋・東京にいる場合、観測地点によって全然新幹線の動きや時間は違いますが、名古屋・豊橋で見た新幹線の動きが偽で、東京で見た新幹線の動きだけが真実ということはありません。ただ、その三者を俯瞰できるように基準を統一したら計算が楽だよね、というのだけがあります。

 天動説・地動説にも同じことが言えます。太陽からの惑星軌道が美しい円運動で、地球からの惑星軌道が乱れた波のような軌道になってしまうとして、実際に人間たちが住んでいるのは、太陽ではなく地球です。太陽からの視点だけが真実というわけではありません。


 これについて似ているなと思うのは、原子核の観測の問題です。原子核にある中性子とか陽子は、光の当て方(人間の観測方法)によって対象が中性子か陽子かが変わったりするそうです。そこでもちろん、観測(意識)が量子力学に作用するのか、逆に量子力学によって観測(意識)が発生しているのかまでは、きっとまだわかりません。同じものでも、観測方法によって固有名詞が変わってしまいますが、そのどちらの固有名詞も真なのです。(まあ、固有名詞Aと固有名詞Bがそれぞれ50%ずつの確率で存在している、みたいな地点もあることになりますが…)

 惑星軌道もまた、観測地点(方角)によって軌道が変わりますが、地球と惑星間の直線が偽物で、太陽と惑星間の直線が本物というわけではないですね。どちらも個別の2つの存在として実在しており、ただ、軌道の幾何学的な図というか、そこから導き出されるものが違うだけです。

 逆行・順行は天動説固有の惑星運動で、だから実際に惑星は軌道上である地点で急ブレーキをかけてバックし、またある地点で前進しだすみたいなことをやっているというといくらかの物理法則が破綻しますが、地球という視点からみた惑星の間の座標的関係性としては成立しており、占星術は逆行・順行に固有の意味を持たせます。

 中性子の役割と、陽子の役割は違うと思いますが、それと同じく天動説の役割と地動説の役割も違うのかもしれません。



 まあそんなわけで占星術が天動説から地動説になると、従来のチャートからヘリオセントリックチャートに変わります。astro.comでトランジット・プログレス付きのヘリオセントリックチャートを出すことはできますが、トランジット・カレンダーのヘリオセントリック版は見たところなさそうです。でも出せるサイトとかあるのかな?それはそれで、あったらおもしろいかも。

 トランスサタニアン(土星、天王星、海王星、冥王星)レベルの遠距離の惑星になると座標(星座)はほとんど変わりませんが、それ以外は違う星座の人になります。干支が変わるレベルです。

 出身地が地球上のどこかではなく太陽になるわけなんで、太陽生まれ地球育ち宇宙船乗れる奴は大体友達って感じでないとヘリオセントリックチャートは基本的に成立しませんが…。

 例えば、自分のヘリオセントリックチャートです、プログレスによってこのチャートになる自分の年齢というのもある気はします。その年は、結構人生で重要な年かもしれませんね。

 それにしてもネイタルよりこっちのほうがハードアスペクト少ないしソフトアスペクト多いし…。ネイタルではあんまり水星強くない自分ですが、ヘリオセントリックでは強くなってる。なので、ヘリオセントリックはなんかこんな自分がいたらいいなみたいな感じにも見える。

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