12h : 隠れて生きよ
可能な限り、社会と隔離されて過ごしたい。自分のそんな気質は、太陽の配置がズタズタで、そんな生まれた時間の星の配置のせいなのか、もっとそれを超えたものなのかはわからない。太陽の配置がズタズタな人が皆、社会との折り合いがつかないという占星術の論理通りかどうか。
12室のキーワードには「隠れて生きよ」がある。人は常に生きる意味を求める形而上的欲求を持つと言うが、例えばそこには人から賞賛を得られない事柄にも「意味」を求められうるかというところもある。
ほとんどの行動は、人は賞賛を得るために行動する。その数は多ければ多いほどいいのだろう。そしてまた、人間は行動をしないでじっとしていることができない。じっとしているのが生命の生存戦略・エネルギーの浪費をしないという観点で最善のものだとしても。
これは、パスカルが『パンセ』のなかで話していることだ。
ナゼかyoutubeのおすすめにパスカルの『パンセ』がでてきた。動画は実はみていないけど…。高校倫理でパスカルの思想については軽く学ぶのでその時に自分もはじめて知ったが、長い間忘れていて、最近、ものすごく久しぶりにまたこの考え方に触れた。
なんとなく「社会参加」が嫌になるのは、あまりにも自分の理想と社会が違ったり、人々と自分の考え方や好きなものが合わなかったり、そしてそれらを自分の好きな方向に持っていけないからだ。
また同時に、人生というものを生から死へと向かう線分だと考えた時に、社会というものは自分の世界に比べて、正直そんなに重要性を持たなくなってしまうからだ。
占星術の理論的には、12室が強い人は、そういった考え方をもたらす出来事そのものを引き寄せやすいのかもしれない。ヘラクレイトスが言う「その人の性格(ethos)とは運命(daimon)のことである」。
最近は正直「人と人の違い」みたいなのが、あまりにも強調されすぎているように感じる。簡単に言えばそれは、ジェネレーションギャップとか、人間の周波数の違い、みたいに表現できるものである。
パスカルの言う「賞賛されたい本能」と「動かないでいられない」状態は皆一緒なのだけれど、例えば親しんでいるメディアとか、情報源とか、そういうものが違うだけで、こんなにも人と人ってわかりあえないんだな、ということをものすごく感じる。
情報ソースの違いは、ジェネレーションギャップに現れる。コロナウイルスの騒動がでてきてから、本当に「人と人の違い」があまりにも強調されているように見えるのは、きっとこの世には情報が今までと比較にならないくらい多様性があって、取捨選択する選択肢があまりにも多いからなのだろう。取捨選択する情報が皆違いすぎて「人と人との違い」がものすごく強調されている。
どれが真実とか、どれが偽とか、もはやそういう時代じゃないというのが、個人的に最も思うところで、例えば自分に関してはそれがあるので「何が真実か」を求めるタイプと最も「違い」を感じる。実は今までは、真実とは権威のありどころにすぎないと思うのだが。
また、人間の思考力・認知力などが特に低下しているのを、周囲では感じる。いくらかの要因が予想として考えられる。個人的には4つあって、「悲観的思考」「呼吸が浅い」「情報過多」「実は感染症の影響」。
・悲観的思考は、親しんでいるメディアがはっきりと現れる。個人的には、メディア由来の悲観的思考の人の近くにいると自分も影響を受け心が乱れる。ただそれはHSP気質の問題ではある。いずれにしても、脳にとって悲観的思考、感情の抑制などが良いわけはない。
・呼吸が浅い、というのは、正直マスク社会の弊害のように思える。脳に酸素がいかなくなれば、思考・判断・認知能力は低下する。マスクの効能よりも、マスクをしているかどうかが重視されていること自体、思考力が下がっていると感じる。まあ、今にはじまったことではないかもしれないが…。たぶん今は、マスクをしない時間が長ければ長いほど知能が高いだろう。このパンデミック(ギリシア語で、民衆の狂乱という意味)に不幸にもぶつかってしまった、子供たちの成長にも言えること。
情報過多は、前述のように現在あまりにも多種多様な情報が飛び交っており、「真実は何か」を求める思考回路においてはショートしてしまうのではないかとすら思う。また同時に感染症対策といってなすべきこと意識すべきことも非常に多いため、脳の思考を圧迫しているだろう。
・感染症の影響というのは、まあ実はもう皆感染していて、無症状でもある程度脳の機能低下に何らかの影響を与えているのではという可能性。もちろんそれは、プラスなことなのかマイナスなことなのかは、視点次第かもしれない。
2020年は確かに特別な配置をしていたが、星の影響以前に、あまりにも気候変動が激しい状態が、ここ数年続いている。いままでと違う環境で、体が適応力のために無理がでるのは当然のことではある。またこのような情報過多に慣れ親しんでこなかった人は、突然、そういった世界と対面せざるを得ない社会状況がやってきて、認知能力にカルチャーショックを受けているかもしれない。そんな時期に社会をなんとかしたいなんて思っていたら、もっと衰弱してしまうかもしれない。
パスカルの他に、このエピクロスという人も、自分が高校倫理を習った時に、好きだった思想だった。これもまた、youtubeのおすすめにでてきた…。そもそも、パスカルとエピクロスはまあまあ同じようなことを言っているのだろう。宗教観みたいなのは、当然違うとはいえるけれど。
「隠れて生きよ」とは、この人の言葉だ。また、「自然は隠れることを好む」はヘラクレイトスの言葉で、「自然に帰れ!」はルソーの言葉だった。
「自然は隠れることを好む」→「隠れて生きよ」→「自然に帰れ!」の美しい連携よ。
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