形状記憶喪失
2011年がだいたい10年前。人間は生存のために危機的状況の記憶を優先的に覚えたままでいるというから、2011年は東日本大震災のおかげで割と思い出しやすいものです。でも別に、すごく被災したとかいうわけでなく、当時まだ大学生で、神奈川と東京の県境付近の下宿にいたので、停電と震度5強か5弱だったかその程度です。
神奈川県は夜中まで、全く電気がついていないのに、より田舎の東京都の部分は早くから電気がついていた風景を、いまだに覚えています。
これが結構、不思議な感覚で、10年前である、ということに対して、まだ10年?って気持ちともう10年?って気持ちが両方ある感じです。10年前と、今とで、まるで自分の状況が違うし、この10年間で、それまでアタリマエと思っていたのが崩れて、そのアタリマエもさらに崩れて、と価値観が何回も転々としてる。
そんな風に、状況も価値観も10年前と違いすぎて、すごく遠く感じるから、10年しか経っていないというのが不思議だったり、でも一応記憶がまだあるので、もう10年前かって気持ちもあったり。
10年前は、「若いうちなんて、あっという間だぜ」みたいに言われる方だったけど、10年もたってしまったので、今はもうそんなには言われません。でも10年経ったので、いま、その言葉が正しかったのかどうか、判断を下すことができます。
それでいえば、若いうちがあっという間なのは、時間の流れの感覚というよりも、昔の記憶が減っているせいで、あっという間に感じるという結論に至りました。昔の記憶が減って、自分の昔の記憶が穴だらけになり、「思い出せる記憶・感覚が少ない=時間があっというまにすぎた」。「年をとって、時間が早い」の正体は、個人的には、記憶能力の変化だと勝手に思っています。
そのように、はじめて知ったけど、人ってこんなにも昔のこと忘れるもんだなあ、って思っています。思い出そうと思えば思い出せるし、写真とかがあればなおさらそう。何よりも今はネットが発達したので、「昔の何か」に関するキーワードさえあれば、検索すると出てくる。youtubeとかがあるおかげで、ゲームのプレイ動画やらcm, 映像, 音楽, 90年代とか00年代のメディアとか、いくらでもでてくるしというか。昔を振り返るのが、すごく楽になりました。しかしそれ自体は、10年前もやっていたこと。
ただ、高校生や大学生のノリが正直、自分の頃と、何も変わってない。しかし自分はそこから10年以上の時がすぎている。当時は思いもしなかったけど、親の世代とか、もっと上の世代から、ずっとそうなのだろうか?この間、教えている塾で学生さんに「先生はどこの大学いってるんですか?」と聞かれた。マスクで顔を隠せる力は偉大だなあと思う次第です。
このmvなんかみるとめちゃめちゃ去年のことを思い出すんですが。星配置的にも自分のトランジット的にも2020年に東京にいるのがいやで、仕事をやめて地元に帰ってきて、今くらいでちょうど1年くらいです。武漢からのウイルスがどうとか、少し話がでてきた頃だったと思う。まだあの頃は、そこまで何も。
今日は節分なんで、いろいろなことも、また少しずつ風景が変わってくるのではと思う。1年前はとんでもなく遠い世界に感じます。コロナウイルスももちろんあるが、それとは関係ない個人的な事柄が中心ですが、色々ありすぎて、ここ数年のなかでも、1年がむちゃくちゃ長かったですね。マクロコスモスとミクロコスモスが一致してます。精神的にやばい時が多すぎたんですが、体調的には、自分でもびっくりするくらい病院にいってません。医療費がここ数年で最も低いのでは。東京にいると体調が悪くなりやすくて、いつも医療費がかかるのもあったけど、実はそんなにも病院にいく必要がなかったのだと気づいてしまったとも言える。
それにしても、その1年前くらいの武漢でウイルスがどうとかのニュース以降、一度も一人カラオケも複数人カラオケもいってないわけです。どうでもいい話に思えるかもしれないけれど、自分にとって最もゆゆしき問題です。旅行にいけなくて嫌という話はききますが、自分にはその欲求が全くないので、現状に関してその点では全く影響がありません。ただヒトカラもいけないのがまじでいけない。
上のSTAND ALONEのMVみてるとほんまに1年前をピンポイントに思い出すんで、ほんまに1年もヒトカラいってねえんだなーって実感してしまう。joysoundかなんかだと、この曲いれるとmvがあるんですよね。mvなんだかカラオケの適当映像の比較的クオリティが高いだけなのかわからんくらいかもしれんけど。
猫の生態として、真空行動というのがあるみたいですね。占星術の火星に関する考え方や、ある種の無意識の心理学にも共通するかもしれませんが、攻撃性の衝動を抑えているとよくないから発散する手段があると良いという考え。運動、旅行、そしてヒトカラとかその辺を禁止されている今は、この発散手段がないに等しいということも多いと思います。なかなか由々しき自体です。日本はまだましかもしれませんが、自粛封鎖等で、人々の、攻撃性みたいなものを、激しく抑制して、いつかどこかで爆発するかもしれない。火星を持っていない人なんていないのだから。
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