Synastria

 人間の相性について考えだすと、止まらない。

 占星術には、相性鑑定は二種類あって、相性図(シナストリー)と合成図(コンポジット)の二種類がある。また出生図でなく進行図の相性図もあるので、外国語の文法みたいにバリエーションが増えていく。

 相性図は基本的にはぱっと見の印象、仕事程度の付き合い、恋愛レベルの付き合い、を意味して、合成図はずっと一緒にいる相性、結婚とその生活の相性、のように解釈している。

 相性図、合成図、ともに欠点がないのが一番だけど、確率論的にもそんなものみたことがない。ソフトアスペクトが優勢で、良い相性図でも、たった1本の例えば水星火星のオポジッションがひどくつらい影響を与えたりもする。


 結婚の相性は、太陽と月だと言われる。ユングも論文で、太陽と月の相性図のアスペクトが見られる夫婦は、統計的に平均より多いということを、「シンクロニシティ」について書いた論文であるユング・パウリ共著『自然現象と心の構造』で記した。

 ユングと共著したパウリは、まさに先月のあたりのノーベル物理学賞が今年は「量子もつれ」についてのことだったが、そのもっとも基礎となるスピンの基礎を作った人だと言える。シンクロニシティとは、実数世界と虚数世界を繋ぐ鍵なのか、それほどに奥が深い概念だと言える。

 相性図で、月、火星、その辺りが優れていることは大事になるだろう。人間の不満を司る星なのだから、これらがマイルドなら、不満を持ちにくいのではないだろうか。


 合成図のほうは、まあ、何を最も重視するべきだろう。アスペクトの良さはもちろん、こちら側の特徴として、ハウスがはっきりと出ることにある。アスペクトの良い金星や木星が2室に入っていたら…金には困りそうにない。社会がある限りにおいてではあるが、金がなければ生きられないのだから、生存は生命の最も関心のある事柄に違いない。そのような意味で、2室は極めて重要だ。もちろん、宇宙的な視点からすれば、2室は中途半端な位置で、ASC, DSC, IC, MC, いずれにも属さない目立つものではなく、重要視されない、人間的な、極めて人間的な尺度だということも、重要だ。

 2室が優れている合成図がいいなあとか勝手に思ってきた。けれども百聞は一見にしかず。実際にその人との相性は、会って見ないとわからないことだらけ。


 その意味でも、面白いと思ったこの記事。人間が、脳活動、またはその集合的・統合的解釈である脳波、神経伝達物質などで意識ができているとして…また同時にその根底に虚数時間的な量子力学的な脳の機能が意識の基盤、土台をつくっているとして…。脳神経科学的な相性がわかったら、確かに面白い。占星術の観点で言えば、細胞の遺伝子にはリズム遺伝子があり、リズムが時間認識を作る。そのように時間認識もまた人間の意識を支配するものだとしたら、リズムを生成している星も関連があるのでは、などと。

 なんにしても、相性を知れたなら、それ以上のことはない。例えば「好きな人」と脳活動的な相性が悪いとしたらそれは「好きな人」と呼べるのかどうか…。でも本当の意味で、脳活動に沿った相性のシステムができあがったら、「好きな人」はほとんど「相性が良い人」になると思う。

 その人の意識の在り方にもよるが、脳活動は、人間の無意識に働きかけていて、「なんとなく好き」は脳活動の周波数を自分に合うものとして感じ取っているはずだから。

 また同時に、相手の脳活動の傾向を知られたら、もちろん変に悪用されたら嫌だけど。

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