Black Briar Lodge

 こだわりのあるオーディオ機器は、サウンドが出る場所が前にも後ろにもあって、後ろにある壁に反響する音のおかげでより素晴らしい音がでると教わった。つまり、音源の後ろに壁があるということが、良い音にとって重要だと。

 古代ギリシアの劇場の構造的な音の反響力などは有名だ。古代ギリシアの野外劇場の遺跡は、オルケーストラと言って、現代のオーケストラの語源だ。オルケーストラ:ὀρχήστραは、踊る場所という意味だが、エルコマイ:ἔρχομαι「来る」に由来する。そのἔρχομαιは、印欧祖語の*h₁ergʰ「動く」からくるならば、オルガン、オルガノンやエルガゾマイなどと同源だろう…。ergos:「働く」の言葉は、en(英語のin)がつけばenergy「エネルギー」、コギト・エルゴ・スム「我思うゆえに我あり」のエルゴはラテン語の「すなわち」だが、すなわちとは「私は考える、その働きによって、私は存在する」ということで、このエルゴだって「働き」だ。


 自分が使っているイヤホンなんかも、部分的にはオルケーストラの構造かもしれない。

 クラシック音楽は、このようなオルケーストラの構造で最も理想的な音を出すようにつくられているために、オルケーストラの構造が成立するオーディオ機器と空間で最も「映える」とも教わった。自分が持っている曲を少し再生させてもらった時、確かにクラシックのあり方に似ている現代のハードロックとかが一番「映えた」。

 Blackbriarがとても「映えた」が、同じくPasscodeがむちゃくちゃ映えたのは、ある種、これもひとつのクラシック音楽と共通のものがあるというか、オルケーストラを意識したような曲なのだろうか。正直、passcodeとかに自分のitunes再生回数で1000回を超えているような曲があるのだが、それでも良いオーディオによってまた「新しい音楽」のようにすら思えたから。良いオーディオをちょっと使わせてもらって、「こんなに違うのか!」と一番感動したのは、passcodeの曲を再生させてもらったときだった。

 確かに、現代でもライブ会場とはすなわち「オルケーストラ」なのだ。空間設計が、同じようにできている。

 空間構造と音の反響…ちょっとだけ二重スリット実験を思い出したというか。



 

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