Flags Flax Fodder and Frigg

 現代のペイガニズム、すなわち古代のシャーマニズムとかウィッチ、ドルイドといった一神教以前の宗教、自然崇拝、アニミズムなどの世界観の復興運動が、現代におきて、ネオペイガニズムとか言ったりする。そのなかで古代の魔女の復古運動でウィッカというものがあった。

 そのウィッカの標語がFlags Flax Fodder and Frigg 「旗と麻と食料と女神フリッグ」なんの本で読んだのかももう覚えていないが、たいへん気に入ってしまった言葉だ。

 ある意味日本語の衣食住みたいな言葉だ。Flags = 旗は信仰をあらわし、Flax = 麻は着るもの、特に良い素材の着るもの、Fodderは普通に食事、Friggは女神フリッグ、愛と豊穣、快楽の女神。自分の信じるもの、着るもの、食料、愛さえあればこの世は十分だという意味だ。それはとても素晴らしい。それだけで生きられたらどれほど良いことか。この世はどうでもいいものが多すぎる。

 この魔女宗、ウィッカの標語はとても好きな言葉で、ずっと印象に残っている。


 魔女というとなかなか難儀なイメージがまとわりついている。しかしWitchとはもともと英語のWiseが語源で、賢い人の意味だ。英語のwiseはドイツ語のwissen、ラテン語のvideo、ギリシャ語のeidos (ϝeidon)、サンスクリットのveda (√vid) まで遡れる。


 ウィッチ、ウィズダム、ヴィッセンシャフト、ビデオ、エイドス、イデア(アイディア)、ヴェーダ、皆同じ語源だ。「知る」という意味だったり「見る」という意味だったりするけど。


 日本語では全部同じ魔女と訳される語でも、英語のwitch, ドイツ語のhexe, フランス語のsorciereとか、みんな全然違う言葉だ。例えば北欧神話とかにも「魔女」と訳される人が多数でてくるけどSeidhr(セイズ)で、これまた全然違う。旧約聖書で「魔女は生かしておいてはならない」という言葉の「魔女」は、確かギリシア語でPharmakeiaだった。pharmakeia、今でいうPharmacy(ファーマシー)なので、薬屋だ。薬を調合できる魔女。悪い意味も良い意味も紙一重、魔女と賢者の違いは、時代の誰かが作り出したにすぎない。

ᚠᛚᚪᚵᛋ ᚠᛚᚪᛪ ᚠᛟᛞᛞᛖᚱ ᚠᚱᛁᚵ

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